ウレタン防水層のふくれ

密着工法の施工時において、下地の乾燥不足やプライマー塗布量の過不足が一般的な原因です。
伸縮を繰り返すことによって、ふくれ部分が最終的に破けてしまう事例が多々あります。

下地の乾燥状態をしっかり確認したうえで施工するのが肝心です。また、表面乾燥が十分でも保護コンクリート下地などの残留水分が多量にあると予想される場合、脱気筒の設置や通気工法の採用、または機械的固定工法に変更するなど、防水設計や施工計画を再考する必要があります。

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ウレタン防水層の破れ

ウレタン防水の耐久性を左右するのは塗膜厚です。
とくに激安工事ではウレタン塗膜防水材をシンナーで規定以上に希釈して薄っぺらく塗っている所があるようですが、工事完了直後において、規定量を使用したものと見た目の違いは一般の方には判らないと思います。
ところが、塗膜が不足している部分は下地の動きに追従できず簡単に破れてしまいます。
また、立ち上がり部分においてよく見られるのは、紫外線によって膜厚不足の部分が、早期に劣化し分解されウレタン防水層が早期に消失されます。

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トップコートの劣化(色褪せ・退色)

トップコートは紫外線や加水分解などからウレタン防水層を保護するために塗られているものです。
トップコートが機能を消失すると、ウレタン防水層の劣化が進んでしまいます。
早期のメンテナンスでトップコートの塗り替えのみ場合、軽微な工事のためメンテナンス費用は比較的安価に済むはずです。

また、高耐久のフッ素樹脂系トップコートや、防水層が温まるのを未然に防ぎ、室内の温度上昇も防ぐ効果が期待できる遮熱塗料と呼ばれる太陽熱高反射塗料など、用途に応じた多彩なトップコートがあります。

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