塩化ビニル系シート防水

塩化ビニル樹脂系のシート状の材料1枚で構成された防水層です。屋外での日光による紫外線、熱、オゾンに対し優れた耐久性を持っています。

塩ビシートは素材自体が予め着色され高い耐久性があるため、防水層のメンテナンスとして一般的な保護塗装が原則不要になり維持管理費も節約することができるのがメリットです。

下地の種類や状態、使用される用途によって接着工法と機械的固定工法があります。

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(1)接着工法

下地およびシートの裏面に接着剤を塗り張り付ける工法。

(特徴) ある程度の強度を有することから軽歩行程度の用途に適応できます。
特殊な保護仕上げ方法として、砂利敷きや平板ブロック仕上げも可能である。

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(2)機械的固定工法

下地に緩衝材を介し、鋼板・ビス等により、防水層を機械的に固定する工法です。なお、防水層の仕上げ方法は露出仕上げである。

(特徴) 下地の乾燥不良や下地の動きなどに対して適用性に優れ、既存防水層を撤去せず被せて施工できるので、下地処理のコスト削減ができます。
※基本的に非歩行。人が歩く場所には不向き。

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メリットやデメリット

耐久性に優れメンテナンスコストが節約できる塩ビシートにも寿命があります。
年数の経った塩ビシートの上を、歩いただけで割れたり穴があいた事例がありました。

たとえば、水道のホースが固くなってしまった経験がありませんか?これは、素材であるポリ塩化ビニルから『可塑剤(かそざい)』が気化してしまったからと言えます。
その結果として塩化ビニル樹脂が本来もっている硬さを取り戻したために発生する現象です。
可塑剤とは、塩化ビニルなどに柔軟性を与えるための物質を言います。
塩ビは元々固い材料で、この可塑剤が添加される事で柔らかくなるのです。つまり、固くなったのではなく、本来の固さを取り戻したことになります。

また、シート防水では立ち上がり防水端末の設計がとても重要です。防水端末をシーリング材のみに頼る仕様は、シーリング材が劣化すると雨水がシートの裏側に入り込んでしまい、雨が漏れる原因となります。


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